2004/11/1
月刊レストアレポート 11月号
だれか題名のロゴでも考えてよ
トラック車庫の中で、薄明かりの中のヨタ
今回は写真が多いよ
前回載せ忘れた写真、フロアから取った
サイドフレーム?みたいな物と
さびたフロアです。
すでに、この世のものではないね。
このような形で組み合わされます。
残念ながらサイドフレームの複製は不可能なので(複雑すぎる)
何とか再生の必要があります。
当然後回しですが。
前回は、フェンダーを外そうかどうしようか・・・
というところで終わりましたが。
かなり悩みましたが、私には趣味車がもう一台、ZEROがあるじゃないか。
ヨタがしばらく乗れなくっても、我慢できるじゃないか・・・
そんなわけで、外してみることにしました。
あくまで、とりあえず外すだけです。
作業の邪魔になるだけで、あくまでフルレストアしようなどとは
思っていません。
ねじだけでとめられているはずのフェンダーが、ロウとシーラー、パテなどで
埋まっていたりで、大変苦労してフェンダーを外してみると・・・
ロッカーパネル部分アップ
どおだ!!
と、いわんばかりに腐っております。
3枚ぐらいの、フレームを構成する重要なパーツがすべて錆で消失し
フロアが見えます。
さびているというのを通りこし、元の形がまったくわかりません。
赤矢印二つが、新たに追加してある鉄板です。
適当に曲げてあるだけなのがわかるかな?
何かのボンネットでした。
フェンダー裏側。
腐った部分を鉄板で切りついでいますが、切り継ぎ部分が妙に
素人くさい。
結構うまく板金した鉄板を、適当に溶接で貼り付けて
裏側の防腐処理を一切していません。
しかし、ボディーのパテワークはかなりうまいです。
これを、「パテでごまかした、いんちき修理」と、片付けてしまうのではなく
まがりなりにも私はプロですので、この修理状態を観察してみた結果
ヨタハチがオールドカーになる前、バブル前の底値で取引
されていた時代に、錆がどうしようもなくなったオーナーが
何とか安く直そうと、レストア経験のない板金屋にできるだけ
安い値段で修理を頼み、塗装工程しか経験のない人が
直したんではないのか・・・
そんな気持ちが感じられる修理です。
当然反対側も同じ状態です。
こちらは軽い事故の跡があったんですが、錆で事故なのかどうか
よくわからなくなっています。
さ〜て、大変だ・・・
基本的には、片方を直してみて、それを参考に
もう片方を・・・といった感じになりますが、それにしてもねぇ。
(おそろしいピンぼけですが)
まったく使えないさびた部分を、素直に切り取ります。
まるで何もなくなってます。
参考になるものは何もありません・・・
サイドシル部分から、反対側が見えるってどういうことよ?
ここからはひたすら同じ作業の繰り返しになります。
鉄板製作→溶接→削る
この繰り返しで形を作っていくんですが、途中で袋になってしまい
あとからアクセスできない部分が出来てきます。
ですので、溶接して塞ぐ前に、防腐処理の仕方を考えておかないと
あとで出来なくなってしまいます。
要求される防腐剤の種類は3種類
1.鉄板あわせ部分に塗布できる、スポットシーラータイプ
2.さびていない鉄板に塗布するタイプ
3.錆が除去できない部分に塗るタイプ
2についてはなんだって良く、普段使っているプラサフでも
大丈夫です。だって、さびてない普通の鉄板なんだから。
ただ、通常より強力な防腐がほしいので、ジンクタイプで
上塗りができるエポローバルというものをメインに使っていきます。
3は選択の余地無し、POR−15です。
これ以外は考えられないでしょう。
問題は1です。
通常は「スポットシーラー」(商品名)という、刷毛で塗るタイプの
通電性がある耐熱防腐剤を使います。
ですが、これはあくまでスポット溶接用です。
MIGの高温には耐えられないですし、溶接もしにくくなります。
そこで探してきたのがこれです。
テロソンのジンクスプレー
私が捜した中では、MIGに対応ができる、上塗り対応の塗料は
これしかありませんでした。
瞬間600度まで耐えるようです。
しかも使いやすいスプレーですので、溶接ごとに刷毛を洗う必要もありません。
これで思う存分溶接が出来ます。
確か2000円ほどだったと思います。
さて、ぼちぼち直していきましょうかね。
というか、直そうにも形がわかりません。
WEBをあさってみても、フェンダーを外したヨタの写真なんて
どこにもありません。
そこで、錆の破片を頼りに、こんな感じかな〜と
ダンボールと紙で、無理な形状にならないように
作ってみることにしました。
たぶんこんな感じです。
7枚ぐらいのピースで出来ています。
これを作るのか・・・
とりあえず型紙を頼りに、鉄板を切り出して
作ってみました。
溶接はMIG(炭酸)の、半自動です。
薄い鉄板(0.8)なので、点付けを並べていって、
溶接あとを削っていきます。
しかし、注意してないと
あまりにグロテスクなので、モザイク入り。
溶接でアンダーコートが溶け、それが腕にかかりました・・・
完治まで3週間ぐらい。まだ跡が残っています。
気をつけましょうね・・・
なんか、それらしくなってきたよ。
昔の車なので、単純な形で助かりました。
今の車だったら、間違いなく無理です。
あ、もちろん膨大な時間がかかっています。
これだけでゴールデンウイークを全て使いました。
考えながらの作業なので、まったく進んでいきません。
どこが作った鉄板だかわかるかな?
赤く囲った部分が新規に作ったところになります。
まあ、ほとんどですね。
下から。
初めての作業でしたが、思ったよりうまくいってます。
この錆を元にして、形を作っていったんですから。
良く出来たもんだ。
絶対この形であってるよ。まあ、間違えてても
フェンダーの下に隠れちゃうしね。
直す前の、反対側はこんな感じ
これならほかの部分も・・・と思うんですが、
ここまでで、3ヶ月かかってます。
予定では、すでにフロアの補修が終わっているはずです。
これはやばそうだ・・・
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