2002/10/07

ZOOKを早くする。

(掲示板の影響で、なぜかハードボイルド口調です)

 

 

おれは、エンジンスワップでつかれていた・・・

いや、とりあえず走るようになった車に安心したのかもしれない。

ただ、違うことがしたかった。

気分を変えたかっただけなんだ。

アメ車以外を触りたかったんだ。

それだけなのに・・・

 

なぜ俺は、エンジンスワップの最中に

 

 

 

ZOOKのエンジンスワップなんてやっているんだ?

矛盾だらけと嘆いてみても、ばらしちまったもんはしょうが無い。

バイクのはじめてのチューニングがエンジンスワップとは

それはそれで、私らしいではないか。

 

 

ヘッドライトを増設し、一段と使いやすくなったマイZOOK。

通称「ZOO君」

しかしながら、エンジン直結の駆動系はいかんともしがたく

あまりに最高速がありません。

インターネットで調べた結果、ヘタにチューンするよりは

エンジン乗換えちゃったほうが早いと、「男」な情報発見。


 

めぐり合わせとは不思議な物で、このZOOKを入手する遥か以前

まだバイクに興味が無かった頃に、こんなものを入手してました。

DIO SR

(こんな名前であってる?)

2002年の初め頃の写真ですが、もっと前にもらってきた物です。

事故車でフレームが曲がってますが、エンジンはかかって

ちゃんと走る状態の物でした。

 

当時の私はこのバイクの名前もわからず、

(DIOかSRかで迷ってた)

とくに使い道も無かったわけですが、未来のために

フレームとエンジンだけにして、保管しておいたのでした。

それが、こんな形で日の目を見ることになろうとは・・・

このエンジンは「AF18」

どうやらZOOKのエンジンスワップには格好の素材らしい。

何たる偶然!

さすが過去の私。

 

ここまでお膳立てが整えば、乗せ換えしなけりゃ男が廃ります。

 

 

チャッチャと降ろしたZOOKのエンジン

なぜギヤをつけないかね?

 

今回乗っける

AF18エンジン

ぱっと見はほぼ同じようなもんです。

1JZと2JZの違いみたいな物です。

でも中身は2JZ−GEと2JZ−GTEぐらい違うそうです。

 

 

エンジン乗せるのは簡単。

エンジンメンバーにマウント部分を溶接・・・なんて

ハードな技はくるまだけのようで、

右がZOOK 左がDIO

エンジンハンガー?なんかそんな部品で

フレームとエンジンをつないでいる部品です。

バイクのエンジンは、こことサスの取りつけ部分だけで

フレームと繋がっているので、ここを改造すればいいだけ。

 

大きさがぜんぜん違って改造も大変そうですが、

車のエンジン乗っけるよりは遥かに簡単なので

切ったりはったりを適当にして製作。

 

左がZOOK、右が作ったやつです。

不恰好ですが、機能上は全く問題無しです。たぶん。

 

ちなみに今回のエンジンスワップの目標の一つに

「いつでも元に戻せる」という

なんとも素人臭い目標がありますので、ZOOK側の部品には

一切加工をくわえないつもりです。

 

あの部品を作るだけで、とりあえずはエンジンが載っちゃいます。

かんたんだねぇ。

サスはZOOK用を使って、フレームに新たにステーを溶接しました。

 

詰まり気味だったマフラーは、焼却炉にくべて中のオイルを

焼ききります。

なぜかこんな技だけは知っているので不思議です。

 

さあ、ここまでは簡単でしたが、一つだけ不安がありました。

バイクの配線については全くわかっていません。

DIOのほうのハーネスが程度がよくないので、できれば

ZOOK側のハーネスを使いたかったんですが、

CDIユニット(車で言うコンピューター?)がどこにあるのか

どんなものかもわからない状態です。

同じメーカー、同じ系列のエンジンということで

配線の種類は同じだと思うのですが、数が多いと

たどっていって解読するのも面倒です・・・などと

心配しながら配線を確認していくと・・・

 

 

これが、エンジンハーネスのコネクタすべてです。

私はバイクをなめてました。

まさかまさか、全部たしても

 

マークIIの燃料ポンプの配線より少ないとは!

 

たどっていって、全部わかりました。

車風に言えば、オルタ×3と点火タイミング×1

チョーク×2 アース×1 こんなもんでした。

マーク2のハーネスでとんでもない目にあっている日常から

少しだけ開放された気分でした。

 

ZOOK側のフレーム側のハーネスとつなげて、

これでエンジンがかかるはずです。

アメ車は一悶着ありましたが、今回は大丈夫でしょう。

燃料の配管がしてないので、CRCをキャブの入り口に

吹きかけつつ、AF18エンジンのスターターに車用バッテリーを

直つなぎでエンジンが点火して、ちゃんと回ることを確認。

ここまでできればできたも同然です。

 

さっそく走らせたいとこですが、アクセルワイヤーが欠品です。

普通のワイヤーだったら自分で作りますが、DIOのワイヤーは

二股にわかれてオイルの量とアクセルを調節しています。

自転車用のワイヤーを使って無理やり作ってみたりしましたが、

どうやってもうまくいかず、新品を頼むことに・・・

これで失敗は許されなくなりましたので、景気付けに

スパークプラグの高いやつときのこタイプのエアクリーナーも

買ってしまいます。

ZERO1にはプラグコードさえも買ってやらない私が、大奮発です。

 

アクセルワイヤーが来るまでの間、リヤのホイールを塗っておきました。

これは本業なので、簡単&パーフェクトな仕上がりね

 

じゃ〜ん、完成。

アクセルワイヤーはボルトオン。

リヤブレーキワイヤーは届かないので(ZOOK用を使用)

ブレーキの方を加工。ステーを溶接で適当に付けなおし解決。

ガソリンポンプはDIO用を使用。適当にタイラップで固定。

ガソリン、オイル、ポンプのパルスの配管は

車用のウォッシャー配管などを駆使し、適当に接続。

なぜか、適当という単語が多いような気がしますが

これで走るはずです。

 

が、走らず・・・

ZOOKの外しにくいカバーを再度外します。

もう10分ぐらいで外せるようになりました。

 

走らない原因ですが、どうやらガソリンが来ていません。

どうやらポンプがおかしいようです。

そこで配管を変更。

ZOOKのポンプもDIOのポンプも動くようにして再度試みますが

調子が悪い。

思ったほど早くなく、エンジンのかかりが悪く、全体で燃調が

薄い感じです。

 

HPで情報を集めてみましたが、どうやら燃料ポンプはZOOK用だけで

いけるらしい。

キャブなんだから、燃圧は関係ことを思い知らされ再度配管変更。

ZOOKはインマニでパルスをとるタイプなので、どこからか

負圧を取らないといけません。

そこで使ったのが

グリスニップルです。

そのままではワンウェイバルブですので、中のバネとボールを取ります。

インマニに5ミリの穴をあけ、M6のタップを通します。

ネジロックを塗ったニップルを取りつけて完成。

簡単に負圧が取れるようになりました。

車では便利な技ですが、バイクでも使うとは思いませんでした。

 

キャブの直後にニップルを追加し、配管は車用のバキューム配管です。

 

さらに、全域で燃調が薄いのはエアクリーナーの

せいかもしれないということで、泣く泣く純正エアクリに戻します。

さらにさらに、キャブのパイロットスクリューも原因だと思い

(カートと同じように、全域の燃調を決めてるものだと思っていた)

掲示板で情報を求めた所、男の中の男 Lingo氏から

男の解説が戻ってきた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まず、キャブを横から見るんだ。左側からだな。

右にエアクリーナー、左がインマニのはずだ。

キャブの調整用スクリューは二つある。

エアクリーナー側がスロットルストップスクリュー、左側がエアスクリューだ。

エアスクリューはアイドリング時のエアの量を決定するものだ。

だから開けてやればエアの流量が増え、結果的に混合気は薄くなる。

スロットルストップスクリューは単純にアイドリングの回転数を決定させている。

まあ、どんなエンジンにでも付いているアイドリング調整ネジってことだ。

ついでにこれらの調整方法を教えてやろう。自分で言うのもなんだが、

歳を取ると親切になっちまっていけないな。

まずスロットルストップスクリューでかろうじてアイドリングする、

という回転までアイドリングを落とすんだ。

こうすることによってシビアな調整がアイドリングに影響するわけだ。

ここでエアスクリューの標準位置(1回転半戻し)から左右に回し、

一番アイドリングが上昇するところを探す。

結果、その位置がベストな調整位置なわけだ。

その後、スロットルストップスクリューで正規のアイドリング回転数(1500rpm)まで

上げて調整終了だ。タコメーターが無いから調整できない、

なんて戯言は聞きたくないな。

私ぐらいになると音だけで回転数が判るのさ。

まあ君には無理だろうからプラグを外してピストンの上下運動でも数えるんだな。

エンジンが止まらないように素早くプラグを外せよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

当然私も、この教えに乗っ取り

ピストンの上下運動を数え、エンジン回転数を計ったりした。

 

ここまでやればいいだろうと、再度乗ってみるが変化なし。

それにえらく症状が不安定だ。

調子が悪いながらも、とりあえず乗れるときもあれば

全くエンジンがかからないときもある。

キャブを手で塞ぐと調子がよくなるので、薄いのはわかっているんだけど・・・

とうぜん、一番の原因と思われるキャブは3回ほど掃除をしている。

 

そこで再度、男の中の男の中の男Lingo氏に聞いてみたところ

以下のような返答があった。

心して聞く様に!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

>燃料が極端に薄い


これはキャブを手で塞いでみたら調子良い、ってことからの判断だろうな

まあ、その判断は間違っていないだろう。

その後、キャブを掃除しても改善されない、とのことだが、

おそらくキャブが完全な状態では無いと思う。

原付に限らずバイクのキャブはフロート室が小さいために、

早くガソリンが気化してしまうんだ。蒸発後に残る生成物により、

ジェット類が詰まるんだな。はっきり言ってジェットをエアで吹いたぐらいじゃ

詰まりは取れないんだ。ゴミが詰まったのならばエアでOKなんだが、

長期間乗らずに置いてあった場合などは、まずエアだけじゃ無理だな。

細い針金でシコシコ削り取って行くぐらいの感じだ。

はっきり言ってジェットを新品に替えてやるのがベストだな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

まさにこの通りだった。

ジェットを針でしこしこ磨いてみたら、途端に調子がよくなってしまった。

さすがプロの意見は違うなぁと、感心させられた出来事でした。

 


エアクリが原因ではないことがわかったので、エアクリを元に戻し

近所を走ってみた感想。

 

やっぱり早い。

タイヤの径が上がったからなのか、シートを改造して

座る位置を下げたのがよかったのか、運転が簡単になった。

気をつけてさえいれば、ウイリーはしない。

センタースタンドが使えなくなるので、サイドスタンドに変更。

ライトが明るくなった。

キックでのエンジンのかかりがよくなった。

(配線さえすれば、セルが使える)

 

おおむねいい感じだが、問題点もある。

エンジンが暖まるまで、アクセルがあけられない。

ときどき息付きする。

 

おそらく、ジェットが原因だと思う。

だけど、純正ジェットなんて、どこに売ってるんだよ・・・

 

 

そんなこんなでいちおう形になりまして、はじめてZOOKで

近くにお買い物に出かけました。

エンジンが温まりさえすれば調子がいいので、快調です。

キャノピーとは違った意味で楽です。

そして、何事もなかったように

帰りにエンジンがかからなくなり・・・

 

軽トラに乗せられて帰ってきたのでした・・・・

そして、軽トラから降ろした瞬間に

何事もなかったようにエンジンはかかりだしたのでした。

 

さて、原因はなんでしょう?

答えは目下調査中です。

 

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